相続土地国庫帰属制度とは(統計)

法務省より相続土地国庫帰属制度の運用状況に関する統計が発表されていますのでご紹介します。
令和6年3月31日現在の運用状況です。

申請件数   1,905件
内訳(地目別)田・畑  721件38%
宅地  698件36%
山林  280件15%
その他  206件11%
帰属件数     248件
内訳(種目別)宅地  107件
農用地   57件
森林    6件
その他   78件
却下件数       6件
不承認件数      12件
取下げ件数     212件

申請件数=(帰属件数+却下件数+不承認件数+取下げ件数)となっていないのは、申請はしたけれど現在審査中ということかもしれませんが、詳細はわかりません。もともと申請の受付から審査の完了まで、半年~1年は必要と言われていましたので、審査中の案件が相当数たまっていることが予想されます。
却下の理由、不承認の理由、取下げの原因としては以下の事例があげられています。

(却下の理由)
4件:現に通路の用に供されている土地に該当した
2件:境界が明らかでない土地に該当した

(不承認の理由)
3件:土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地に該当した
1件:民法上の通行権利が現に妨げられている土地に該当した
1件:所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地に該当した
2件:国による追加の整備が必要な森林に該当した
5件:国庫に帰属した後、国が管理に要する費用以外の金銭債務を法令の規定に基づき負担する土地に該当した

(取下げの原因の例)
自治体や国の機関による土地の有効活用が決定した
隣接地所有者から土地の引き受けの申出があった
農業委員会の調整等により農地として活用される見込みとなった
審査の途中で却下、不承認相当であることが判明した

現時点での統計数字だけをみるとかなり狭き門に感じますが、運用開始からまだ1年しか経っていませんので、もう少し運用状況を見ていく必要があるのかなと思います。

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